
チームスポーツトレーニング 複雑系スポーツにおける現代的トレーニング戦略
ハビエル・マロ, マーレー志雄, and 結城康平
この本について
チームを見ていると、「練習ではできるのに試合になると噛み合わない」とか、「もっと技術練習を積めば強くなるはずなのに、なぜか伸びない」といったモヤモヤがつきまといます。自分の指導のどこがボトルネックなのか、はっきりと言語化できないまま場当たり的にドリルを増やしてしまう…僕自身ずっとこのループにいました。 この本が効くのは、技術や戦術を“分解して教える”前提そのものをいったん横に置き、チームスポーツを複雑系として捉え直す視点をくれるところです。たとえば、選手が意思決定できないのはスキル不足ではなく、環境から「何を見るべきか」を抽出できていないだけかもしれない。あるいは、チームの不安定さは悪ではなく、新しい協調関係が生まれる前の揺らぎかもしれない。そんなふうに、今まで“改善すべき欠点”と見えていた現象の意味が少しずつ変わっていきます。 また、ドリルの種類ではなく、どう制約を設定するかで選手の行動が大きく変わるという考え方も、指導の手応えを取り戻させてくれました。過剰に指示を出すほど選手の判断が鈍る、フィジカル指標だけでは競技の本質を測れない、といった指摘は、現場で薄々感じていた違和感に名前をつけてくれます。 「選手の動きが“整わない理由”をもう少し深く知りたい人」に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの17%が集中しています。
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