
叫び
畠山丑雄
東京創元社 / 2013-11-29
累計読者数5
平均ハイライト数 2.8件/人
推定読了時間 約4時間18分
star総合評価 32/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 16%
この本について
最近、自分の軽さに耐えられない瞬間ってありませんか。何か行動しようにも天秤が揺れ続けて、決めたことさえすぐに「本当にこれでいいのか」と曖昧になっていく。そうやって自分の輪郭が薄れていく感じに、うっすら不安を覚える。かといって、他人に強く肯定されたいわけでもない。ただ、自分がどこに立っているのかを確かめたいだけなんだと思います。 『叫び』を読んでいて感じたのは、この本が“答え”ではなく“揺らぎそのもの”を正面から扱っていることでした。自分を否定されることでむしろ心が軽くなる瞬間や、歴史を実践の道具としてではなく、自分を名づけ続ける修行として捉える視点。そのどれもが、普段見ないふりをしてきた内側のざらつきと向き合うきっかけになる。叫びが空間のどこかに残り続けるように、人の行為の痕跡や痛みが、静かに自分の中で響いてくる感じがあります。 とくに響いたのは、世界を舞台として演じ始めたとき、人はいつの間にか自分が演じていることすら忘れてしまうという指摘でした。仕事でも人間関係でも「正しさ」や「役割」に寄せようとしすぎると、気づかないうちに自分が空洞になっていく。そんな状態から一度離れて、自分の“叫び”がどこに閉じ込められているのかを見に行く読書体験になると思います。 自分の存在感の薄れや、役割の中で迷子になる感じに思い当たる人には、特に刺さるはずです。
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出版社による紹介
砂漠を行くキャラバンを襲った連続殺人、スペインの風車の丘で繰り広げられる推理合戦、ロシアの修道院で勃発した列聖を巡る悲劇……ひとりの青年が世界各国で遭遇する、数々の異様な謎。選考委員を驚嘆させた第5回ミステリーズ!新人賞受賞作「砂漠を走る船の道」を巻頭に据え、美しいラストまで一瀉千里に突き進む驚異の連作推理。《週刊文春》ミステリーベスト10国内部門第2位をはじめ各種ミステリ・ランキングの上位を席捲、本屋大賞にノミネートされるなど破格の評価を受けた、大型新人のデビュー作。
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