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黄金仮面

黄金仮面

江戸川 乱歩

千歳出版 / 201509

累計読者数3
平均ハイライト数 1.3件/人
推定読了時間 約3時間54分
star総合評価 40/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 83%

この本について

仕事でも日常でも、ふと「あの瞬間の違和感だけが頭から離れない」ことってありませんか。全体の流れは覚えていないのに、なぜか一枚の光景だけが妙に残ってしまう。説明できないのに、自分の中ではずっとざわついている。そんな感覚に覚えがある人には、江戸川乱歩の『黄金仮面』の読み方が少し違って届くかもしれません。 読者の方が保存していたのは、落ちていたピストルの“光っていた”という描写や、その一節を忘れられないという部分でした。乱歩の作品は、こういう「一点だけ鮮明に残る」描き方が本当にうまいんですよね。筋書きを追うというより、登場人物と同じように、ある場面に引っかかったまま進めなくなる。その感覚が、私たちが抱えるモヤモヤに少し似ている気がします。状況は動いているのに、心だけ特定の場面に留まってしまうあの感じです。 この作品が効いてくるのは、そういう“引っかかり”を一度そのまま受け止めてみる視点をくれるところです。小さな違和感が物語の核心につながっていく流れを読むと、自分の中のざらつきも「無視しなくていいんだな」と思えてくる。もうひとつは、乱歩ならではの空気の濃さです。映像ほど説明的じゃないのに、光や沈黙の重さだけが残る。こういう読書体験は、頭の切り替えというより、心のピントをずらすような感覚に近いと思っています。 なので、この本が刺さるのは「細部の違和感がなぜか忘れられない人」。ストーリーを追いたい人よりも、ひとつの場面に長く留まってしまうタイプの人です。謎解き以上に、心のどこかをそっと撫でられるような読み方ができる作品でした。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

本格的なトリックを駆使した推理小説・探偵小説、怪奇・恐怖小説のパイオニアであり、日本探偵作家クラブ創立者として探偵小説界全体の発展にも寄与した江戸川乱歩。少年探偵団と並び人気の名探偵・明智小五郎シリーズより「黄金仮面」を収録。
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