
屋根裏の散歩者 人間椅子 パノラマ島奇談 (江戸川乱歩集)
江戸川 乱歩
東京創元社 / 1984-10-17
累計読者数3
平均ハイライト数 2.3件/人
推定読了時間 約4時間16分
star総合評価 40/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 36%
この本について
最近、何かを始めたい気持ちはあるのに、体がまったく動かない時ってありませんか。忙しいわけでもないのに、行動する前に頭の中で全部シミュレーションしてしまって、気づいたら一歩も進んでいないあの感じ。やれば変わるのは分かってるのに、現実より想像のほうが安心してしまう時期って、誰にでもあると思います。 江戸川乱歩のこの短編集を読むと、そうした「動けなさ」の内側にあるものを、ちょっと違う角度から覗くことになります。たとえば、汚い下宿で寝転がったまま、自分の頭の中だけで人生を完結させてしまう人物。そこまで極端じゃなくても、共通するところがある人は多いはずで、読みながら「想像力は助けにもなるし、逃げ場所にもなるんだよな」と妙に腹落ちします。また、ベイコン暗号のくだりのように、乱歩特有の知的な遊びが差し込まれていて、行動はしないのに頭だけはやたら回る、あの感覚に静かに寄り添ってきます。 とはいえ、この本は「行動しよう」と背中を押すタイプではないです。ただ、自分の中の影や妄想癖のような部分を、少しだけ俯瞰できるようになる。その距離感が、結果的に日常の動き方を変えてくれることがあります。想像と現実の境目でいつも立ち止まってしまう人に刺さる一冊だと思います。
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出版社による紹介
大乱歩の歩みは、そのまま日本探偵小説の歩みであった。大正12年、〈新青年〉にデビュー作「二銭銅貨」を発表して以来、その紡ぎ出す幻想の糸は絶えず読者を捕らえてきた。そして彼の変身願望、地底願望は、「屋根裏の散歩者」以下の作品中に、ある時は戦慄とともに、ある時はこの世のものならぬ甘美さとともに見出すことが出来るだろう。 本巻はデビュー作である「二銭銅貨」をはじめ、「心理試験」、「屋根裏の散歩者」、「人間椅子」、「鏡地獄」、「パノラマ島奇談」の初期の名作6篇を所収。乱歩の精粋ここにあり。
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