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ゼロ時間へ (クリスティー文庫)

ゼロ時間へ (クリスティー文庫)

アガサ・クリスティー、三川 基好

早川書房 / 2004-05

累計読者数9
平均ハイライト数 19件/人
推定読了時間 約6時間43分
star総合評価 58/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 27%

この本について

人間関係で「この人の本音が読めない」とか、「自分の欠点を見せたくなくて苦しくなる」とか、そういう小さなひっかかりって、日常のどこにでもありますよね。相手の態度が冷静すぎたり、逆に自信満々すぎたりすると、こちらの心がざわつくこともあります。クリスティーの『ゼロ時間へ』を読んでいると、そういう“表情に出ない揺らぎ”がじわじわ可視化されて、自分の中のモヤモヤが整理されていく感じがありました。 この物語の人物たちは、完璧さにしがみつくあまり壊れそうだったり、相手を支配できると思い込んで突っ走ったり、逆に恐怖で無表情になってしまったりと、とにかく心の動きが細かい。読んだ方の抜粋にも、その「見えない傷」や「挫折を知らない人間の脆さ」に反応している部分が多くて、そこがまさに効くポイントなんだと思います。誰かの言葉の裏側にある温度差や、声の奥にあるかすかな違和感に気づいたときの感覚が、物語の中で何度も描かれていて、自分の対人関係にもつい重ねてしまいました。 そして、ただ誰かが何かを“する”のではなく、「そこにいるだけで、知らず知らず役割を果たしてしまうことがある」という視点も静かに刺さります。行動しなきゃと思いすぎて疲れているときほど、この発想に救われます。強いメッセージではないけれど、人物の内側を覗き込むことで、自分の感情の扱い方が少しだけ上手くなる本でした。 人の感情の揺れに敏感で、つい深読みしすぎてしまうタイプの人にはとても響く一冊だと思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

残忍な殺人は平穏な海辺の館で起こった。殺されたのは金持ちの老婦人。金目的の犯行かと思われたが、それは恐るべき殺人計画の序章にすぎなかった――人の命を奪う魔の瞬間"ゼロ時間"に向け、着々と進行する綿密で周到な計画とは?ミステリの常識を覆したと高い評価を得た野心作。
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