ヨムナビ
震える天秤 (角川文庫)

震える天秤 (角川文庫)

染井 為人

KADOKAWA / 2022-08-24

累計読者数4
平均ハイライト数 2件/人
推定読了時間 約4時間55分
star総合評価 42/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 47%

この本について

仕事でも家庭でも、人の気持ちを読み違えてしまう瞬間ってありますよね。相手の沈黙の意味を勝手に補ったり、表情の揺れを深読みしすぎたり。自分の中で答えが見えないまま、ただモヤモヤが積み重なっていく感じ。僕もよくそこでつまずきます。 『震える天秤』の抜粋を見ていると、言葉の選び方や、ちょっとした視線の揺れ、引き出しを探る何気ない動作まで、人物同士の距離感が細かく揺れているのが伝わってきます。「目が泳いでいる」とか、「勝手に」といった短い表現の裏に、人の立場の弱さや後ろめたさが滲んでいて、読者が保存したのもそこに引っかかる実感があったからだと思うんです。むやみにドラマチックではなく、生活の中でも起こりそうな温度で描かれているところが、この作品の効きどころだと感じました。 この小説が役に立つのは、相手の言動をどう受け取るかで関係が変わってしまう、あの微妙な局面を見つめ直したいときです。登場人物のちょっとした表情や言い淀みが、後から別の意味を持って立ち上がってくるので、自分の「思い込みの癖」に気づきやすいんですよね。それと、場面ごとに選ばれている言葉が丁寧で、日常の中でもよくあるズレや摩擦を落ち着いて眺められるようになります。物事を短絡的に判断する前に、いったん立ち止まる余白をくれる感じです。 人間関係の微妙な温度差に疲れやすい人、あるいは「自分の解釈って本当に正しいのかな」と時々不安になる人には、特に静かに刺さると思います。抽象的に励ましてくるタイプの本ではなくて、生活の中の息づかいを拾いながら、気づけば心の姿勢が少し変わっているような一冊です。

この本に似ている本

すべて見る arrow_right_alt

染井 為人の他の作品

すべて見る arrow_right_alt
書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

高齢男性の運転する軽トラックがコンビニに突っ込み、店員を轢き殺す大事故が発生。 アクセルとブレーキを踏み違えたという加害者の老人は認知症を疑われている。 事故を取材するライターの俊藤律は、加害者が住んでいた奇妙な風習の残る村・埜ヶ谷村を訪ねるが……。 「この村はおかしい。皆で何かを隠している」。 関係者や村の過去を探る取材の末に、律は衝撃の真相に辿り着く――。 横溝賞出身作家が放つ迫真の社会派ミステリ!
library_books似た本をもっと見るmap書籍マップで探すroute読書パスガイドauto_awesomeAI診断で次の1冊を探す

読んだ内容を、もう忘れない。

BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。

無料ではじめる

クレジットカード不要