
黒猫の三角 Delta in the Darkness Vシリーズ (講談社文庫)
森博嗣
累計読者数3
平均ハイライト数 2件/人
推定読了時間 約9時間7分
star総合評価 38/100
boltライト読書型
この本について
日常の中で「正義って結局なんなんだろう」とか、「みんなが当たり前のように信じている理由って、本当に理由になってるのか?」みたいな気持ちになること、けっこうありませんか。誰かの正しさに合わせて動いていると、自分の感覚がどこにあるのか分からなくなるあの感じです。僕自身、同じところでもやもやしていて、答えは出ないままでも考えるきっかけだけは欲しいなと思っていました。 森博嗣『黒猫の三角』は、事件を追う物語の中で、そういう“正しいとは何か”みたいな問いを平然と放り込んできます。しかも大げさな議論じゃなくて、登場人物が淡々と語る形だから、妙に日常に引き寄せて考えさせられるんですよね。「人を裁くとはどういうことか」とか、「自分が何かを嫌だと思う理由は他人に伝わるのか」とか、普段は見過ごしている問いが、ふっと目の前に置かれる感じがあります。 読みながら、自分の中のエゴや価値観をいったん地面に並べて眺めてみるような感覚になるのも、この作品の面白さでした。登場人物たちの視点のズレ方が心地よくて、「ああ、自分もこういうところで思考停止していたな」と気づく場面がいくつかありました。物語として楽しみつつ、ちょっとだけ思考の角度が変わる、そんな読後感です。 「他人の正義に振り回されがちな人」に静かに刺さる一冊だと思います。
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出版社による紹介
一年に一度決まったルールの元で起こる殺人。今年のターゲットなのか、六月六日、四十四歳になる小田原静子に脅迫めいた手紙が届いた。探偵・保呂草は依頼を受け「阿漕荘」に住む面々と桜鳴六画邸を監視するが、衆人環視の密室で静子は殺されてしまう。森博嗣の新境地を拓くVシリーズ第一作、待望の文庫化。
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