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李陵

李陵

中島 敦

グーテンベルク21 / 1946

累計読者数6
平均ハイライト数 5.3件/人
推定読了時間 約3時間56分
star総合評価 44/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 30%

この本について

仕事でも人間関係でも、「自分はこの役割に本当にふさわしいのか」と迷う時ってありますよね。選んだ道が正しかったのか、自分だけ場違いなんじゃないか。そんな気分のまま日々を回していると、どこかで心がすり減っていく感じがします。 中島敦の『李陵』を読むと、その迷いに少しだけ風が通ります。李陵が自分の運命に折り合いをつけようともがく姿は、歴史上の英雄というより、私たちに近い一人の人間です。天が見ているかどうか分からない中でも、自分に起こる出来事を「自分にふさわしいものとして受け取っていく」感覚に触れると、選択の正しさよりも、その後どう立つかの方が大事なのかもしれないと思えてきます。そして、たとえ生きる喜びを見失っても、それでも表現だけは残るという一節は、仕事で手応えを失った時に妙に沁みます。 また、史を“述べる”とは何かという問いも鋭くて、他人をひとまとめに理解した気になってしまう自分をふと立ち止まらせてくれます。違う人間は違う人間として見るという姿勢は、日常の関わり方にもそのまま効くところがあると思います。 自分の立ち位置に迷ったままでも前に進むしかない人に、静かに寄り添ってくる一冊です。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

漢学者を祖父にもち、漢学の教養と広い読書に支えられた知性と感性を身に付けた中島敦は、前人未到の高い芸術性をもった作品群を残して夭折した。ここには「李陵」「弟子」「名人伝」「山月記」「文字禍」「悟浄出世」「悟浄歎異」「牛人」「光と風と夢」の代表作9編をおさめた。
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