
傷はぜったい消毒するな~生態系としての皮膚の科学~ (光文社新書)
夏井 睦
累計読者数15
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推定読了時間 約6時間1分
star総合評価 53/100
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この本について
傷の手当てって、子どもの頃からなんとなく「まず消毒して乾かすもの」と思い込んでいました。でも大人になってからも、そのやり方にどこかモヤっとする瞬間があって。乾かすと痛いし、治りも遅い気がする。病院でもらう説明と自分の感覚が噛み合わない、あの違和感です。 『傷はぜったい消毒するな』は、その違和感に理由を与えてくれる一冊でした。細胞が乾燥で簡単に死んでしまうこと、消毒薬は細菌よりも先に人間の細胞を壊してしまうこと、そして傷は本来「自前の最強の液体」で治そうとしていること。読み進めるほど、これまで当たり前と思っていた行動が、むしろ治りを遅らせていたと気づかされます。ラップで覆ってみるだけで痛みがすっと引く、あの“体感レベルの変化”がイメージできる説明が妙に腑に落ちました。 個人的には「教科書に書かれていない現象を見逃す」という話が仕事にも刺さりました。常識の方を優先してしまうと、目の前の事実が見えなくなる。傷の治し方だけでなく、思い込みの扱い方までじわっと効いてくる本です。 昔ながらのやり方に疑問を持ちながらも、代わりの考え方を持てずにいた人に、特にしっかり届くと思います。
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出版社による紹介
ケガをしたら、消毒して乾かす、が世間の常識。しかし著者によれば、消毒は「傷口に熱傷をかけるような行為」だという。傷は消毒せず、乾燥させなければ、痛まず、早く、しかもきれいに治るのである。著者は、今注目の「湿潤治療」を確立した形成外科医である。その治癒効果に驚いた医師らにより、湿潤治療は各地で広まっている。しかし肝心の大学病院などでは相変わらず、傷やヤケドを悪化させ、治りを遅らせ、患者に痛みと後遺症を強いる旧来の治療が行われている。なぜ、医学において生物学や科学の新しい成果は取り入れられないのか。本書では医学界の問題点も鋭く検証。さらに、生物進化の過程をたどりつつ見直した、皮膚という臓器の持つ驚くべき能力について、意欲的な仮説を展開しながら解説する。
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