
小説 盛田昭夫学校(上) (講談社文庫)
江波戸哲夫
この本について
仕事で新しいことを仕掛けたいのに、社内の事情や自分の経験不足を理由にブレーキを踏んでしまうことってありますよね。やりたい気持ちはあるのに、一歩目が見えないまま日だけが過ぎていく感じ。僕もよくその渦に巻き込まれます。 『小説 盛田昭夫学校(上)』を読んでいて強く感じたのは、「結局、動く人間が場をつくるんだ」という当たり前だけど忘れがちな事実です。盛田昭夫と井深大のやり方は、ただの成功譚ではなく、行動の基準がいかにシンプルかを思い出させてくれます。例えば、やりたい人がやりたい場所で働く空気をつくること。腕のある若者を見つけたらとにかく口説きにいくこと。価値あるものを作ったら、その価値を分かる相手に自分で会いに行くこと。どれも特別な才能というより、やると決めた人の動き方なんですよね。 もう一つ胸に残ったのは、盛田が徹底して「自分の足で会いに行く」ことを大事にしていた点です。相手の格や立場に関係なく、自分が動かないと話が前に進まないと理解していた。その姿勢は、いまの僕らが抱える営業や調整のしんどさとも地続きに感じました。結局、人は人に会ったときにしか動かないんだろうなと。 ブランドの話も印象的で、誰も知らないSONYという名前を50年かけて育てると宣言するシーンは、成果が見えない初期の踏ん張り方を教えてくれます。小さな一歩が何十年後につながる感覚は、焦りがちな自分の呼吸を整えてくれました。 新しい挑戦の前で立ち止まりがちな人に、じわっと効く本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの24%が集中しています。
読書の順序
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