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宵山万華鏡 (集英社文庫)

宵山万華鏡 (集英社文庫)

森見登美彦

累計読者数4
平均ハイライト数 6.5件/人
推定読了時間 約5時間14分
star総合評価 45/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 35%

この本について

仕事でも日常でも、自分の中の「わがまま」と「責任感」の折り合いがつかなくて、妙に疲れるときがあります。ちゃんとやりたいのに、どこかで気の抜けた自分もいて、他人の視線ばかり気にしてしまう。祭りの喧噪みたいに気持ちがざわつくのに、ふとした瞬間だけ静けさが落ちてきて、人恋しいような心細さが混じるあの感じです。 『宵山万華鏡』を読んでいると、その揺らぎが少しだけ許される気がします。登場人物たちは決して立派ではなくて、妙なこだわりに身をひそめたり、意味のない悪ふざけにうれしそうに没頭したり、わがままを自覚しつつも文句だけは一人前に言ったりする。でも、その姿を眺めていると「ああ、こういう不格好さごと生きていていいんだな」と思えてくるんです。頭に天窓が開いたように、余計な湿気が抜けていくような感覚がときどき訪れるのも、この本ならではでした。 特に、何かを成し遂げる物語ではなく、祭りの夜に漂う曖昧さや既視感、ちょっとした悪だくみの気配を通して、自分の中の“どうでもよさと大切さが混ざった部分”をそっと撫でてくれるところがありがたい。現実の悩みを直接解決してくれるわけじゃないけれど、思いつめた呼吸が少し緩むような読後感があります。 不器用さを抱えたまま生きている人に、静かに効く一冊です。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

祇園祭宵山の京都。熱気あふれる祭りの夜には、現実と妖しの世界が入り乱れ、気をつけないと「大切な人」を失ってしまう―。幼い姉妹、ヘタレ大学生達、怪しげな骨董屋、失踪事件に巻き込まれた過去をもつ叔父と姪。様々な事情と思惑を抱え、人々は宵山へと迷い込んでいくが...!?くるくるとまわり続けるこの夜を抜け出すことは、できるのか。
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