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太陽の塔(新潮文庫)

太陽の塔(新潮文庫)

森見登美彦

青春出版社 / 2018-03-19

累計読者数7
平均ハイライト数 12.1件/人
推定読了時間 約3時間37分
star総合評価 56/100
menu_book精読型
check_circle推定完走率 46%

この本について

人付き合いが苦手とか、季節のイベントがやたら眩しく見えてしまうとか、そんなとき「自分だけ世界からズレているのでは…」という気分になることがあります。逃げ場がない感じが強くなると、余計にその感覚がこじれていくんですよね。 森見登美彦『太陽の塔』を読んでいて思ったのは、そのズレを無理に矯正しようとしなくていい、というよりも、ズレて見える自分の感情をそのまま楽しんでしまう余白があってもいいのでは、ということでした。異様に誇張された語り口の裏には、他人とうまく距離が取れない学生の、不器用な自意識が丸見えになっています。完璧に間違っているのに妙に筋が通ってしまう理屈や、クリスマスへの過剰な敵意のようなものが、逆に「自分も似たようなことを考えては黙って飲み込んでいたな」と思い出させてくれる。苦いものが必ずしも薬じゃない、という一節が示すように、感情の苦味そのものを一度落ち着いて味わう余裕を取り戻せる本でした。 読み終えて残るのは、孤独が特別な物語ではなく、ただの生活の一部として息づいているような感覚です。距離のある人との関係にどう向き合うか、あるいは向き合わずにやり過ごすか。そんなことを悩みながら生きている人には、とても静かに効きます。 「人並みに振る舞えと言われるとしんどい」という人に刺さる一冊です。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

2018年3月19日、塔内一般公開を契機に、再び世間の耳目を集める《太陽の塔》。我が国最大の芸術作品にして最も知名度の高いパブリックアートだが、それを取り巻く数々の物語についてはほとんど知られていない。本書は、構想段階から現在にいたる太陽の塔の実相をさまざまな角度から取り上げ、単なる“巨大彫刻”との見方に終わらない《太陽の塔》の新しい鑑賞眼を養う種々の知見を提供する。岡本太郎の最高傑作はいかにして生まれたのか、万博会場でなにがあったのか、その後どんな運命をたどったのか──などを楽しく、わかりやすく解説していく。再生された内部、新規撮影のカラー口絵付き。
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