
夜行 (小学館文庫)
森見登美彦
小学館 / 2016-10-30
累計読者数5
平均ハイライト数 4件/人
推定読了時間 約3時間22分
star総合評価 42/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 25%
この本について
最近、人との距離感がうまくつかめなかったり、誰かの表情を読んだつもりで勝手に解釈してモヤモヤすること、ありませんか。自分でも気付かないうちに、怖い場所や向き合いたくない問題を避けてしまうこともあって、「情けないな」と落ち込む夜がある。そういうときに思い出すのが、森見登美彦の『夜行』です。 この本は、何かを解決してくれるタイプではないのですが、逃げてしまう弱さや、自分の都合で相手を見てしまう未熟さを、物語の中でそっと照らしてくれます。人の顔を“言葉でラベル付けして見る”という場面は、図星すぎて目をそらしたくなるし、厄介な問題から逃げる主人公の姿には、どこか自分の影が重なります。けれど、旅の途中でふと鼻に入ってくる冬の匂いのように、失われた感情がさりげなく甦ってくる瞬間があって、自分の中にまだ何か残っている気がしてくるんです。 物語に身を置いてみると、「現実を変えよう」と気負うよりも前に、まず自分が何から逃げているのか、誰をどう見ているのかに気付く余白が生まれます。解決よりも、“立ち止まって確かめ直す”ことが必要な人に刺さる一冊だと思います。 向き合えないものを抱えたまま、でもどこかで整理したいと思っている人に。『夜行』は、その揺れを無理に収めようとせず、そのまま連れて歩いてくれる物語です。
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出版社による紹介
僕らは誰も彼女のことを忘れられなかった。 私たち六人は、京都で学生時代を過ごした仲間だった。十年前、鞍馬の火祭りを訪れた私たちの前から、長谷川さんは突然姿を消した。十年ぶりに鞍馬に集まったのは、おそらく皆、もう一度彼女に会いたかったからだ。夜が更けるなか、それぞれが旅先で出会った不思議な体験を語り出す。私たちは全員、岸田道生という画家が描いた「夜行」という絵と出会っていた。 旅の夜の怪談に、青春小説、ファンタジーの要素を織り込んだ最高傑作! 「夜はどこにでも通じているの。世界はつねに夜なのよ」
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