
本能の力(新潮新書)
戸塚宏
新潮社 / 2007-04-16
この本について
子育てや人との関わりで、自分が「弱く見えてないだろうか」とか、「優しくしているつもりが、かえって子どもを不安にさせてないかな」と悩むことがあります。頭では平和が一番と思いながら、現場ではどう振る舞えばいいのか分からなくなる瞬間ってありますよね。 『本能の力』は、そういう“もやもや”に対して、かなり踏み込んだ視点を投げかけてきます。特に保存されていた部分を見る限り、読者が刺さっているのは「子どもは何を基準に安心するのか」「なぜ不快や厳しさが必要とされるのか」という、今の価値観では語りづらいテーマです。著者の主張はかなり強めで、すべてを鵜呑みにできるタイプの本ではありませんが、読みながら自分の軸を問い直される感覚がありました。 たとえば、子どもが外の世界に怯えながらも成長していくには、家に“揺るがない存在”があることが大事だという視点。あるいは、不快や失敗を遠ざけすぎると、本人が自分の力で状況を変える機会まで奪ってしまうという指摘。こうした考え方は、現代ではかなり逆風ですが、「守るとは何か」「強さとは何か」を自分の言葉で考えるきっかけになると思います。もちろん、体罰やいじめを肯定するような読み方ではなく、背景にある“人がどう安心し、どう伸びるのか”という根本の話として。 刺さるのは、子どもとの距離感に悩んでいる人や、優しさと甘やかしの境界が分からなくなっている人だと思います。価値観が揺さぶられるので疲れもしますが、一度立ち止まって考えたい人には向いています。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの29%が集中しています。
読書の順序
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