
風立ちぬ・美しい村・麦藁帽子 (角川文庫)
堀 辰雄
累計読者数3
平均ハイライト数 7件/人
star総合評価 38/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 23%
この本について
なにかを「幸せだった」と思い出すたびに、いま目の前の生活が急に遠く感じることがあります。あれは本物だったのか、いまの自分はあのときより劣っているのではないか……。頭では過去に戻れないと分かっていても、感情だけが置いていかれるあの感じです。 堀辰雄のこの本に触れていると、そのモヤモヤが少しだけ形になります。たとえば、幸福の記憶が現在をかえって曇らせてしまう瞬間や、目の前の相手を大切にしているのに、どこかで自分の弱さも同時に見えてしまうあの居心地の悪さ。作中の人物が感じている揺らぎが、自分のどこかの層と静かにつながってくるんですね。過度にドラマチックではなく、むしろ「こんなふうに人は迷うよな」と落ち着いて読めるのがいいところです。 特に、幸福の風景が時間を経るほど心の中で変形していく描写は、過去の思い出に引っ張られがちな人にはよく響くはずです。美しさを守りたい気持ちと、いまを生きる痛みの両方を抱えたまま進んでいくしかない、そんな現実をそっと受け止める力があります。 過去の記憶が重く感じる人、いまの生活にうまく気持ちを結びつけられない人には、とくに静かに刺さる一冊です。
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多くの読者は第6章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの56%が集中しています。
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