
「悪知恵」のすすめ ラ・フォンテーヌの寓話に学ぶ処世訓
鹿島 茂
PHP研究所 / 2013-03
この本について
人間関係で「なんであの人はあんなことを言うんだろう」とか、「悪意があるのか、ただの無神経なのか」が読めなくて疲れることってありますよね。正面から注意するほどでもないし、放っておくと地味に効いてくる。自分が気にしすぎなのか、それとも相手に問題があるのか、その境目もだんだん曖昧になる。僕自身、この手のモヤモヤに何度も振り回されてきました。 そんなときにこの本を読むと、ちょっと視界が変わります。ラ・フォンテーヌの寓話って、子ども向けの優しい教訓かと思いきや、むしろ「人はこういうズルさを平気でやる」という大人向けのリアルが詰まっているんですよね。たとえば、第三者が場を和ませるどころか混乱を生むケースがあるとか、善意に見える行動がただの搾取の始まりだったりとか、「強い側の理屈がそのまま正しさになる」現実とか。どれも、職場や友人関係で心当たりがありすぎる話ばかりでした。 読み終わって残ったのは、「性善説で相手を見続けようとして無駄に消耗していたかもしれないな」という気づきです。「騙すな」より先に「騙されるな」が来る世界の視点を知ると、自分の身の守り方が少し変わる。相手を疑心暗鬼で見るというより、状況を冷静に読む“距離感”が手に入る感じです。 人の悪意や打算に何度も戸惑ってきた人、あるいは「自分だけ善人でいようとしすぎてしんどいな」と感じている人には、かなり刺さる一冊だと思います。
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