
超思考
北野武
幻冬舎 / 200904
この本について
最近、周りの空気に合わせすぎて、自分が何を感じていたのかよくわからなくなる瞬間ってありませんか。仕事でも日常でも、「まあみんなそうしてるし」と流されて、後から妙な後味だけが残る。頭では違和感があるのに、言葉にできないまま時間だけが過ぎていくあの感じです。 北野武さんの『超思考』は、そのモヤモヤに正面から切り込んでくる本です。正確には、慰めてくれるというより、少し乱暴なくらいの言葉で「自分の頭で考えるってこういうことだろ」と揺さぶってくる。たとえば、みんなが右に動いたら絶対にそっちへは行かない、という姿勢。行列に並ぶレジャー文化や迎合する大人への批判。ただの反骨ではなく、「離れた位置から見たとき、自分の恥ずかしさにやっと気づける」という視点が芯にあります。 また、「苦しいからこそ助け合う」という話にあるように、今ほど守られた社会になっていなかった時代の感覚が、逆に今の生きづらさを照らしてくれる部分もあります。助け合いや覚悟の話が湿っぽくならないのは、著者自身が誰かに媚びない姿勢を貫いてきたリアルがあるからだと思います。そこに妙な説法めいた偽善がない。 結局この本は、世の中への文句を言うための本ではなく、群れの勢いに飲まれそうになったときに一度立ち止まるための“角度”をくれる一冊です。ランキングや口コミを見てから選ぶ自分に違和感がある人、あのままの流れに乗っていていいのか不安になる人には、とても静かに効きます。
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多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの17%が集中しています。
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