
ミシン missin’ (小学館文庫)
嶽本野ばら
小学館 / 2007-12-04
累計読者数3
平均ハイライト数 8.7件/人
推定読了時間 約1時間20分
star総合評価 43/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 40%
この本について
最近、自分が何を大事にして生きているのか、ときどきよく分からなくなることがあります。好きなものへのこだわりも、他人から見るとただのわがままに思えるんじゃないか…とか。そんな風に揺れる時に、この『ミシン』の断片的な言葉が、妙に胸の奥に残るんですよね。誰にも言えない偏愛とか、みっともないほど崩せない自分の規範とか、そういう“説明しにくい感情”をそのままの形で置いてくれる感じがあります。 この物語が効くのは、正しさよりも「好き」を守ってしまう人の痛みや可笑しさを、少しだけ整理して見せてくれるところです。例えば、お金がなくてもライフスタイルだけは手放さないという偏った覚悟や、深夜にお百度参りをするほど誰かを想ってしまう不器用さ。普通なら引かれそうなそれらの感情が、作中ではそのまま“人の美しさ”として描かれていて、自分の中のいびつさにも居場所があるんだと思わせてくれます。また、便利さや情報量ばかりが評価される空気の中で、何を大切にするかは結局自分で選ぶしかないんだと、少し距離のある視点もくれる作品です。 だから、この本は「こだわらずに生きられたら楽なのに」と思いながらも、どこかでそのこだわりを捨てられずにいる人に刺さると思います。物語としての強さもあるけれど、それ以上に、自分の中の“扱いにくい感情”をそっと拾い上げてくれるような読後感があります。
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出版社による紹介
発売当時、数多くの読者に衝撃的な感動をもたらし、のちの全嶽本野ばら作品の原点となったベストセラー処女小説集、待望の文庫版! 孤独な青年雑貨店主と、心に病をもつ少女――Vivienne Westwoodの洋服を愛する二人が運命的に出会い、はかない逃避行に旅立つ名作「世界の終わりという名の雑貨店」、そして、MILKの洋服を華麗に着こなすカリスマ・ヴォーカリスト、ミシンに恋する少女の「乙女」としての生きざまを強烈に描いた表題作「ミシン」を収録。
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