
日本電産 永守重信、世界一への方程式
田村賢司
日経BP / 2013-10-28
この本について
仕事で判断に迷う場面って、数字だけでは割り切れないことが多いですよね。環境が変わるたびに「このままのやり方でいいのか」と落ち着かないまま走ってしまうこともあると思います。僕もそうで、特に事業の方向転換や投資の判断になると、どう考えればいいか途端に視界がぼやけます。 この本を読んで感じたのは、永守さんのやり方は強引に見える瞬間があっても、裏側にかなり現実的な計算と“変化に対する感度”があるということでした。例えば、モーターのブラシレス化がどの市場でどれくらい遅れているかを読み切って買収の順番を決めていたり、HDD市場が落ち込んだ時もすぐに構造改革に踏み切っていたり、迷いながらも「環境の変化を前提にする」動き方が一貫しています。それは社員にも徹底されていて、値下げ要求が来たら工場まで巻き込んで答えをひねり出すような、現場の反応速度を高める仕掛けがいくつも組み込まれている。 読んでいて、自分の仕事にも置き換えられるポイントがいくつかありました。ひとつは、成長の順番を「売上」ではなく「利益」から積むという考え方。もうひとつは、判断の軸をシンプルにしておくこと。永守さんは買収の判断に EBITDA の倍率という“逃げ道のない基準”を置いていて、だからこそスピードが落ちない。こういう具体的な視点は、日常の小さな判断にも案外そのまま効きます。 経営の話ではあるんですが、「環境が変わるたびに迷いがち」「判断の軸がぶれやすい」と感じている人ほど刺さる本だと思います。僕自身、読みながら自分の視界が少し整っていく感覚がありました。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの15%が集中しています。
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