
私家版 日本語文法(新潮文庫)
井上 ひさし
累計読者数6
平均ハイライト数 35.7件/人
star総合評価 73/100
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この本について
文章を書いていて、「この助詞の違いって本当に意味あるのかな」とか、「日本語の癖を直感ではわかっているのに、言葉にできない」というモヤモヤがずっと残っていました。理屈を知りたいわけじゃないけど、言葉の手触りをもう少し掴みたい。そんなときに手元に置いておくと落ち着くのが『私家版 日本語文法』でした。 井上ひさしの視点は、学術書のように体系的ではないのに、示される例がいちいち腑に落ちます。「が」と「は」の距離感の違いを落語の一節で説明したり、宮沢賢治の主語を隠す技法を助詞から読み解いたり、北原白秋の詩でカメラのズームを語ったり。気づいていたけれど言えなかった“日本語の動き方”が、具体的な場面ごとに浮かび上がります。また、漢字が映像として働くことや、気候の気分が言葉を動かすという話も、自分の読書や文章の読み方を静かに変えてくれます。 言葉そのものに正解を探すより、「自分がどう感じて使っているか」を確かめたい人に向いている本です。言語に迷いがあるとき、辞書ほど固くなく、エッセイほど軽すぎない位置で、ちょうどいい支えになってくれます。
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