
手の倫理 (講談社選書メチエ)
伊藤亜紗
ミシマ社 / 20220915
累計読者数30
平均ハイライト数 28.4件/人
推定読了時間 約2時間58分
star総合評価 69/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 27%
この本について
人と関わるとき、「距離の取り方がいつも分からない」「相手を思って動いたつもりが、逆にぎこちなさを生む」みたいな場面ってけっこうありませんか。自分では丁寧にやっているつもりでも、どこか一方通行になっている感じがして、モヤっと残るあの感じです。 『手の倫理』は、そのモヤモヤを“触れる”という行為から考え直してくれる本でした。触覚って、安心や確かさを与えるはずなのに、実は不確実で、相手を信じないと成立しない。だからこそ、そこには「ライブ感」があるし、相手との関係がその場で変わっていく余白があるんだと腑に落ちました。見て知っている相手でも、触れた瞬間に“出会い直す”ようなショックがあるという話も、自分の経験と妙に重なります。相手をどう理解するかより、どう関わりを“つくっていく”かに目線が移る感じです。 この本が面白いのは、倫理を綺麗な一般論で語らないところです。触れ方によって相手から引き出される情報が変わるように、関係も状況も固定されない。安心を求めすぎると関係が閉じていくけれど、少し不確実な場所に身を置くと信頼が芽生える。その感覚は、仕事のコミュニケーションにも、人間関係にもけっこう直結します。 視線中心の世界で、他者との距離感に悩む人に刺さる本だと思います。
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出版社による紹介
ぼけは、病気ではない。
自分と社会を開くトリガーだ――
ここを出発点に始まった、美学者と「宅老所よりあい」代表の往復書簡。その到着点は…?
二人の「タマシイのマジ」が響き合った、圧巻の36通。
自分のしたことが本当の意味で相手のためになる、というのは、おそらく私たちが思うよりもずっと不思議で、想定外に満ちた出来事なのでしょう。ほとんど、奇跡だと言ってもいい。――伊藤(はじめに)
お年寄りたちは、思想信条に依らないアナキズムと、人格や宗教に依らない許しを発揮し、場をつくり始めると言えるでしょう。そのように時折シンクロします。大方は揉めながらバラバラのままに一緒にいる。いるしかない。なんか、まじめで滑稽でしょ。好きなんです。――村瀨(3通目)
目次
第1章 どうしたら一緒にいることができるのか? 2020年秋
第2章 人と言葉をケアする居場所としての「しゃべり」 2020〜2021年冬
第3章 共感でも反感でもない、ぼ~っとする 2021年春
第4章 変化は「戸惑いと待ちの溜まり場」で起こる 2021年夏
第5章 深まるぼけがもたらす解放と利他 2021年秋
第6章 心とシンクロしない体を生きる 2021〜2022年冬
第7章 生身の痕跡を手紙に残す 2022年春
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