
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。8 (ガガガ文庫)
渡航 and ぽんかん(8)
この本について
人と関わるとき、相手の本音を読み違えていたんじゃないか、と後からじわっと不安になる瞬間ってありませんか。距離を詰めすぎたのか、逆に踏み込みきれなかったのか。あのときの自分の行動が、未来の自分をまた苦しめるんじゃないか――そんなモヤモヤが頭の片隅に残り続けることがあります。 『俺ガイル8』は、その答えをスカッと提示してくれる本ではありません。でも、比企谷の「理性の化け物」と呼ばれるほどの自己省察や、誰かに寄りかかりすぎれば共倒れになるという実感の描写に、妙に救われるところがあります。自意識の暴走で人を嫌ったり、好意を勘違いしたり、善意に見える行動がただの利己心だったり。そういう“自分でも見たくない部分”を、物語の中で安全に覗けるんです。読みながら、自分も同じように都合よく解釈して失敗した場面を思い出して、少しだけ次の行動が変わる。そんな効き方をしてくれます。 特に刺さるのは、「助けたい人に本当に手を伸ばすには、今のやり方では届かない」という痛い指摘や、「誰かに役を押し付けてしまう苦しさ」と対峙する場面。相手のためを思って動いたはずが、実は自分の安心のためだった――あの苦い感覚を丁寧に描いてくれるから、読後に変な納得が残ります。 人と距離を取る癖があるけれど、本当はちゃんと関わりたい人にこそ刺さる巻だと思います。物語として楽しみながら、自分の人間関係のほつれにも少しだけ手が伸ばせる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの14%が集中しています。
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