
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。12 (ガガガ文庫)
渡航 and ぽんかん(8)
小学館 / 2017-09-24
この本について
進路とか人間関係みたいに、正解があるようでない話って、誰に相談しても結局しっくりこなくて、気づけば「まぁいいか」と流してしまうことが多いと思います。言いたくないことは飲み込みつつ、それでも相手の表情ひとつに揺れたり、踏み込みすぎても離れすぎてもどこか不自然になったり。大人になりきれないまま日々を回している感じ、僕もずっと抱えています。 『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。12』は、その“中途半端なまま立ち止まってしまう瞬間”を丁寧に描いてくれます。三人が揃うとそれぞれの役割を演じてしまう距離感とか、話したくないことを話さないまま残る沈黙の重さとか、知らないふりがもう許されない関係のしんどさとか。派手な出来事がなくても、こういう細かい揺らぎが正面から描かれると、自分の心の形がそのまま照らされているように感じるんですよね。 大学や将来の話も、“運命的な出会いなんてないかもしれない”という現実を認めつつ、それでも少しだけ前に進もうとする感覚が素直に響きます。諦める理由はいくらでも作れるけれど、それでも種みたいな小さな気持ちが残っていることを、この巻はそっと示してくれる。誰かのための行動に見えて実は自分のためだったり、逆に自分のためと言いながら誰かを気にしてしまう揺らぎも、妙に身に覚えがあるはずです。 こんな人に刺さると思います。知らないふりも割り切りも、もう効かなくなってきた関係と向き合い始めた人。自分でも気づかないうちに抱えていた小さな本音に、そっと手を添えてくれる一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの19%が集中しています。
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