
最強のコスト削減―いかなる経営環境でも利益を創出する経営体質への変革
栗谷 仁、A.T.カーニー
東洋経済新報社 / 2009-04-16
この本について
調達まわりの仕事って、何となく「昔からこうだから」で続いてしまうところが多いですよね。サプライヤーとの関係も長くなるほど情が入って、値下げ交渉をするにも根拠が弱くて、自分でもモヤモヤする。さらに、社内のコスト構造がブラックボックス化していて、本当に割高なのかどうかすら判断できないこともあると思います。僕自身、同じような状況で長く悩んでいました。 この本は、いわゆる“精神論のコスト削減”ではなく、現場で迷子になりがちなポイントを具体的にほどいてくれます。例えば、サプライヤー側だけでなく「要求仕様を曖昧にした自社側にも問題はある」という視点は、自分の発注プロセスを見直すきっかけになります。また、コストセンター子会社の原価構造やマージンの実態をどう見抜くか、内部の人間だからこそ気づきにくいところまで踏み込んでいて、曖昧だった部分が輪郭を持ち始めます。さらに、聖域化されたサプライヤーとの“貸し借り関係”がどうコストの硬直化につながるのかの描写は、胸が痛いほどリアルでした。 読んでいて感じたのは、攻めの交渉術ではなく、発注する側として「どこまで把握できているべきか」の基準が持てるようになること。人件費、内製費、物流費、媒体費…費目ごとに見るべきポイントが違うという当たり前の事実を、ようやく現場レベルで扱える形にしてくれます。 調達やバックオフィスで「自分の判断が正しいのか自信が持てない」と感じている人にはかなり刺さる本だと思います。僕と同じように、現場の“なんとなく”に悩んでいる人ほど読んでみてほしいです。
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