
世界No.1の利益を生みだす トヨタの原価
堀切俊雄
かんき出版 / 2016-08-08
この本について
仕事で原価の話になると、どうしても「後工程でなんとかするしかないよな…」とか、「設計に口を出す立場じゃないし」といったモヤモヤがつきまといます。部署間で意見がぶつかると、そもそもどこから手をつければいいのかすら見えにくい。僕自身、こういう“現場と数字のズレ”みたいな感覚をずっと引きずっていました。 この本が面白いのは、原価を“できあがってから眺める数字”ではなく、“企画や設計の段階でつくり込むもの”として扱っているところです。ムダ取りが悪いわけではないけれど、そこに到達した時点で原価の大部分はもう決まっている、という冷静な視点にまずグサッときました。また、経理が現場に入って原価低減の仕組みを一緒につくる、あるいはデンソーに依存しすぎた状況を内製技術でひっくり返すなど、数字だけでなく“構造”を変える動きが具体的に描かれていて、読んでいて自分の職場のシーンに自然と置き換わります。 さらに、「差額原価だけ追っても全体で帳尻が合わない」「チーフエンジニアに求められるのは技術よりも人望や調整力」といった話も、結局のところ“部分最適では利益は生まれない”という現実を突きつけてきます。原価の話をしているようで、実は組織で成果を出すための思考の土台を見直す本でもあります。 現場と数字のギャップに悩んでいる人や、原価管理を“経理だけの仕事”だと思っていた人には特に刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第8章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの33%が集中しています。
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