
聖書を語る
佐藤 優 and 中村うさぎ
文藝春秋 / 2014-01-10
累計読者数7
平均ハイライト数 21.9件/人
推定読了時間 約2時間25分
star総合評価 65/100
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この本について
人と関わるほど、「なんでこんなに噛み合わないんだろう」と思う場面って増えませんか。相手が悪いわけでも自分が間違っているわけでもないのに、世界の見え方がズレていて、説明しようとしても言葉が届かない。そんなとき、ただ処理しきれない違和感だけが残ってしまうことがあります。 『聖書を語る』は、そういう“ズレの正体”を丁寧にほぐしてくれる本でした。対話の中で、佐藤優と中村うさぎが、神学や政治思想、歴史、サブカルまで自在に行き来しながら、人間の抱える矛盾や限界をそのままの形で扱っていく。例えば「人間は途上にある存在」という言葉は、誰かと分かり合えないときの無力感を少しだけ軽くしてくれますし、「敵意は人間に由来するが、他者に心を開く力は外側から来る」という指摘は、自分の努力不足だけの問題ではない、と視野を広げてくれます。 さらに、全体主義と普遍主義のズレや、科学と文学の視点の違い、歴史の中で何が想像力を生んできたのか、といった議論を追っていくと、「世界の見え方が一枚岩じゃない」ことが具体的に腑に落ちます。抽象的な理屈ではなく、実例や昔の事件、神話まで持ち出して語られるので、自分の生活や仕事にそのまま接続しやすいのも良いところでした。 他人と衝突するとすぐ疲れてしまう人や、対話の難しさをどう扱えばいいか迷っている人に、とくに静かに刺さる一冊だと思います。
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出版社による紹介
共にキリスト教徒の二人が、聖書をベースに宗教・哲学・社会問題を縦横無尽に語りつくす異色の対談集。 第一章では、カルヴァン派の佐藤氏とバプテスト派の中村氏が、同じプロテスタントでありながら宗派によって異なる、他力本願と自力本願、終末論など神学的な問題を語りあう。第二章では村上春樹の『1Q84』、サリンジャー、『新世紀エヴァンゲリオン』など文学やサブカルに見られるキリスト教の影響を読み解く。第三章は、3・11を契機に激変した日本社会を伝統宗教は救えるのかがテーマ。不安定な世の中にはスピリチュアル的なものがはびこるが、本当の意味で自分と他者をつなぐことのできるものは何なのか? ライプニッツのモナド論など引用しながら考察する。
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