
知識創造企業
野中 郁次郎, 竹内 弘高, and 梅本 勝博
東洋経済新報社 / 2020-12-04
この本について
仕事で「なんとなくうまく言葉にできない感覚があるのに、会議では形式知ばかり要求される」とか、「外の知恵を取り込もうとしても、社内でうまく共有されない」とか、そんな小さな行き詰まりってありませんか。自分でも説明できない“勘”や“経験の重なり”が確かにあるのに、それが組織のなかで扱われないまま消えていく感じ。僕自身ずっともやもやしていた部分でした。 『知識創造企業』は、そういう“説明しにくいけど確かにある知恵”に正面から光を当ててくれます。暗黙知と形式知を行き来させることで組織の知が生まれる、という視点は、普段の仕事のどこを見直すべきかをかなり具体的に教えてくれました。たとえば、比喩や象徴をあえて使って曖昧な段階の思考を共有することが許されているか。外から得た知識をただ“利用する”のではなく、社内の経験や価値観と混ざり合う場があるか。こういう当たり前のようで抜け落ちがちなポイントを、実例を通して考え直させてくれます。 特に、ミドルマネージャーが現場の現実とトップの理想をつなぐ役割を果たす、という話は、日々板挟みになりがちな人ほど腑に落ちるはずです。個人の勘や経験が孤立しないように翻訳していく役目って、結局のところ誰かが引き受けないといけない。そこをどうやって実務として回すかのヒントが、この本にはかなり詰まっています。 組織の中で「言語化しにくい知」を抱えて立ち止まることが多い人に、静かに効いてくる本だと思います。
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