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日本人の神 (河出文庫)

日本人の神 (河出文庫)

大野晋

河出書房新社 / 2013-12-06

累計読者数3
平均ハイライト数 19.3件/人
推定読了時間 約2時間23分
star総合評価 35/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 10%

この本について

仕事で神社に行くたびに「結局、日本の神って何者なんだろう」とぼんやり考えてしまうことがあって。スピリチュアルな話をしたいわけじゃないけれど、日常の中で使っている言葉や慣習の背景が分からないまま放置していると、自分の足元が少し宙に浮いたままのような感覚になるんですよね。 『日本人の神』は、そういう薄いモヤモヤを丁寧に輪郭づけてくれる本でした。読者が保存した箇所を見ると、多くの人が「神=人格者」ではなく、もともとは姿形を持たず、漂い動き、時に怒り、時に寄りつく“自然と支配の力そのもの”として存在した、という視点に強く反応しているように思います。例えば「隠身にまします」の解釈が、神が“姿を隠した”のではなく“そもそも見えなかった”という話は、神話が突然ファンタジーから生活の言葉に引き戻される瞬間でした。峠や祭の語源の説明も同じで、私たちが当たり前に使っている言葉の裏に、実際の行為や土地の感覚がそのまま残っているのだと気づかされます。 もうひとつ大きかったのは、カミが「地方領主」という支配の意味を持っていたという指摘。反逆するカミ、漂うカミ、怒るカミ。神話を読むときに“比喩”とか“象徴”で片づけていた部分が、かなり生々しい政治と生活の記録として見えてきます。神像や神社の成立が後の時代で、もともとは山や滝そのものが御神体だった、という話も、自分の宗教観を少し揺らしながら整理してくれるものでした。 神話や日本文化を新しい角度で読み直したい人、あるいは「言葉の由来から世界を理解したいタイプ」の人には深く刺さると思います。こういう本を読むと、日常の風景の見え方が静かに変わります。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

日本人にとってカミ(神)とは本来どのようなもので、どのような変化を経て今日に至ったのか。仏教のホトケやキリスト教のGodとはどう違うのか。カミという言葉の由来を丹念に辿りながら、日本人の文化や生活習慣、精神性までを考察する。日本思想史に変革を迫る、稀代の国語学者の遺した名著。
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