
影響力の正体 説得のカラクリを心理学があばく
ロバート・B・チャルディーニ and 岩田 佳代子
SBクリエイティブ / 2013-12-13
この本について
人づきあいで、相手のお願いを断れなかったり、理由はわからないけれど疲れるやり取りが続いたりして、「なんで毎回こうなるんだろう」と思うことってありますよね。自分が気弱だからとか、コミュ力が足りないからだと考えがちですが、実際はもっと別のところで、人の行動を左右する“仕組み”が静かに働いていたりします。 この本がおもしろいのは、その仕組みをスローガンではなく、具体的な場面の中で見せてくれるところです。たとえば、人は理由がなくても「〜ので」と言われるだけで納得しやすいことや、借りを作ることを異常に嫌うために、返報性のルールから逃れにくいこと。あるいは、皆がどう動くかわからない場面では、誰も不安を表に出さないせいで「多数の無知」が加速していくこと。読んでいると、自分の過去の行動が「性格」ではなく「環境の力」に引っ張られていたことに気づきます。 とはいえ、この本は“影響力を使いこなせ”と煽ってくる感じではありません。むしろ、自分が知らないうちに巻き込まれていた力学を見える化してくれるので、無用な罪悪感や「自分が悪いのでは」という思い込みが少し減ります。職場でも家庭でも、相手の言葉より行動を見る意味や、なぜ人はつじつまを合わせたくなるのか、といった視点が静かに効いてきます。 自分の意思がいつの間にか揺らぎやすい人や、「人間関係で疲れる理由がはっきりしない」という人には特に刺さると思います。
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