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オリガ・モリソヴナの反語法 (集英社文庫)

オリガ・モリソヴナの反語法 (集英社文庫)

米原万里

累計読者数7
平均ハイライト数 2.9件/人
推定読了時間 約8時間31分
star総合評価 49/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 71%

この本について

仕事でも日常でも、どこに「正しさ」を置けばいいのか分からなくなる時があります。誰が悪いわけでもないのに、環境やシステムのほうに押し流されていくような感覚があったり、才能のある人を素直に祝福できない自分に落ち込んだり。そういうときに、この本の抜粋を読んでいる人が多いのも分かる気がしました。 『オリガ・モリソヴナの反語法』は、巨大な力に振り回される理不尽だけでなく、もっと小さくて身近な息苦しさにも目を向けています。悪は誰か一人のせいではなく、静かに分散して存在する、という感覚は、現代で働く私たちにも重なるものがありますし、「皆と同じであることから外れるのが恐い」空気に疲れている人には特に響くと思います。プラハの学校で、誰かの才能を喜び合う空気が当たり前だったという描写も、いまの自分の周りと比べてハッとさせられる部分です。 そして何より、この物語は登場人物たちが完璧ではないところが救いです。立ち向かるのか、踏みとどまるのか、そのどちらにも迷い続ける姿が描かれていて、「強くあれ」と押しつけてこない。だからこそ、自分の足元をそっと見直す余裕をくれます。 周囲の「当たり前」にどこか引っかかりを覚えている人、あるいは自分の感じ方が間違っているのではと不安になる人に、この本は静かに効いてきます。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

一九六〇年代のチェコ、プラハ。父の仕事の都合でこの地のソビエト学校へ通う弘世志摩は四年生。彼女が一番好きだったのは、オリガ・モリソヴナ先生の舞踊の授業。老女なのに引き締まった肉体、ディートリッヒのような旧時代の服装で踊りは飛び切り巧い。先生が大袈裟に誉めたら、要注意。それは罵倒の裏返し。学校中に名を轟かす「反語法」。先生は突然長期に休んだり、妖艶な踊り子の古い写真を見せたり、と志摩の中の“謎”は深まる。あれから30数年。オリガ先生は何者なのか?42歳の翻訳者となった志摩は、ソ連邦が崩壊した翌年、オリガの半生を辿るためモスクワに赴く。伝説の踊り子はスターリン時代をどう生き抜いたのか...。驚愕の事実が次々と浮かび、オリガとロシアの、想像を絶する苛酷な歴史が現れる。新大宅賞作家、米原万里、感動の長編小説。
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