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ベトナム戦争 誤算と誤解の戦場 (中公新書)

ベトナム戦争 誤算と誤解の戦場 (中公新書)

松岡完

中央公論新社 / 2001-07

累計読者数5
平均ハイライト数 21.4件/人
推定読了時間 約6時間43分
star総合評価 58/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 32%

この本について

歴史の本を読んでいて、「結局この戦争って何が問題だったんだっけ」「国同士の衝突だけで説明される話なのか」とモヤモヤが残ることがあって、ベトナム戦争もまさにその一つでした。ニュースで習った出来事だけを順に追っても、なぜここまで長引き、なぜアメリカが負けたのか、どうして現地の人々は妥協しなかったのか…そういう根っこに触れられずに終わってしまうんですよね。 この本は、その“背景が抜け落ちている感じ”をしっかり埋めてくれます。戦争そのものではなく、フランスの植民地支配や中越関係、冷戦構造、米国内の世論、そしてインドシナ全域の地理まで視野に入れないと理解できない…という著者の立ち位置が一貫していて、読み進めると「単純化して語れない理由」が腑に落ちてきます。ホーチミン・ルートのような“なぜアメリカが止められなかったのか”を説明する具体的な描写も多く、地理や歴史の積み重なりがそのまま戦況に直結する感覚があります。 そして何より、被害の規模や戦後のドイモイ、国交正常化まで追っているおかげで、「戦争が終わった瞬間にすべてが片付くわけではない」という当たり前の事実が、数字と時間の重みを伴って迫ってきます。アメリカ側の視点だけでなく、ベトナムが何を譲れなかったのかまで書かれているので、どちらか一方を善悪で括る読み方から自然と離れられるのも助かりました。 単純な構図で世界を説明しきれないと感じている人に刺さる一冊だと思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

米軍の撤退完了から、三十年が過ぎようとし、ベトナム戦争は忘却の淵に沈みかけている。ベトナムでもアメリカでも、この戦争を知らない世代が増えてきた。だが一方で、その実像を明らかにし、両国の誤算と誤解の解明を目指す試みも始まっている。ベトナムは、「民族の世紀」と「アメリカの世紀」が激突した戦場であり、各地に飛び火する地域紛争の原型だった。広い視野に立つ精密な記述で、ベトナム戦争の全体像が浮かび上がる。
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