
贈与の歴史学 儀礼と経済のあいだ (中公新書)
桜井英治
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star総合評価 39/100
start序盤集中型
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この本について
仕事でも私生活でも、「あの人との距離感、なんでこんなに難しいんだろう…」と思うことがけっこうあります。頼まれごとを断れないとか、逆にこちらの気持ちが伝わらなかったときの妙な疎外感とか。結局、人とやり取りするときに生まれる“見えない期待”みたいなものの扱いに、ずっとモヤモヤしていました。 『贈与の歴史学』を読むと、そのモヤモヤが中世の人たちにもあったことがわかります。贈り物を受け取られないと関係自体が拒否されたと感じるとか、施しが「神への贈り物」と地続きだったこととか、義務や信用が贈与と市場のどちらにも深く入り込んでいたとか。読むほどに、いまの私たちの悩みが“現代的だから複雑”なのではなく、ずっと昔から続いている感情の延長線にあるだけなんだと気づかされます。 特に刺さったのは、贈与をやめるという選択肢がなかったからこそ、省力化という工夫が生まれたという指摘です。関係を維持しつつ、自分の負担とも折り合いをつける発想は、まさにいま私たちが抱える「人付き合いの持続可能性」と同じ線上にあります。義務と気持ちのどちらかに振り切らず、現実的に見直していくヒントをもらえる一冊でした。 人との距離に疲れやすいけれど、縁そのものは大事にしたい…そんな人には特に刺さると思います。
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