
創業三○○年の長寿企業はなぜ栄え続けるのか
グロービス経営大学院、田久保 善彦
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この本について
仕事でも生活でも、自分の“軸”がよく分からなくなる瞬間ってありますよね。新しいことをしないと停滞してしまう気もするし、かといって闇雲に動いて迷走するのも怖い。長く続く会社は、そのあたりをどう乗り切っているんだろう、と思って手に取ったのがこの本でした。 読んでみて意外だったのは、三百年続くような企業ほど、派手な戦略より「自分たちは何者か」を丁寧に掘り下げていたこと。ヤマトインテックが鋳物そのものへのこだわりを軸に事業を広げていった話や、月桂冠が“勘と経験を科学する力”を自覚的に磨いていた話は、会社というより人の生き方に近い感覚があります。結局、長くやるには強みを言語化し、身の丈を超えない範囲で進化し続けるしかないんですよね。 もう一つ印象に残ったのは、価値観の継承の仕方です。十年以上にわたって社長と後継者が近い距離で働くとか、物故者法要まで含めて「会社に流れる空気」を守っていく姿勢とか、数字だけでは測れない部分がちゃんと仕組みになっている。これは個人にも応用できて、自分が大事にしたい価値観を“語れる形”にしておくことの大切さを実感しました。 派手な成功法則を求める人には向かないかもしれません。でも、目先の判断に迷いがちな人や、長く続けるための視点を探している人には、静かに効く一冊だと思います。
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