
古典が最強のビジネスエリートをつくる
齋藤 孝
毎日新聞社 / 2014-03-25
この本について
仕事で判断に迷ったり、人との会話でうまく言葉が出てこなかったり、なんとなく自分の軸が弱い気がする。そんなときって、情報は追っているはずなのに、足場がスカスカしている感じがするんですよね。僕もずっとそのモヤモヤを抱えていて、「もっと実践で使える言葉がほしい」と思っていました。 この本が面白いのは、古典を“知識として読む”のではなく、“日常で使う前提で読む”という視点に徹底しているところです。たとえば一~二ページ読んだだけでも、すぐに日常会話で引用してしまう。完全に理解していなくてもいいから、とりあえず言葉を自分の口に乗せてみる。やってみると分かるんですが、これが意外と効きます。自分の経験と古典の言葉がつながって、少しずつ「自分の背骨」みたいなものが作られていくんですね。喫茶店で『五輪書』を読んでいるときのあの独特の静けさや、自分だけが錨を下ろしている感覚も、たぶんこういう積み重ねから生まれるんだと思います。 さらに、古典の言葉をもとに他人の行動や動機を観察する視点も紹介されていて、人を見るときの焦点が変わります。「この人は何をすると満足なのか」という問いを持てるだけで、仕事の関係性がけっこうラクになる。自分の中に勝海舟やゲーテが住み着いて、そっと背中を押してくれる感じと言えば近いかもしれません。 情報は足りているはずなのに、判断するときの芯が弱い気がする人。そんな人には、古典を“使う”という体験が刺さると思います。
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