
欲ばらないこと(サンガ新書): 役立つ初期仏教法話13
アルボムッレ・スマナサーラ
サンガ / 2011-11-01
この本について
最近、日常のあれこれがいちいち重く感じることがあって、「なんでこんなに振り回されるんだろう」と思うことがありました。結局いつも、仕事でも私生活でも、余計な感情が割り込んできて、必要以上に疲れてしまうんですよね。この本を読んでいて刺さったのは、そのしんどさの正体が「欲」みたいな立派なものではなく、もっと小さくて、もっと習慣みたいなものだと教えてくれるところでした。 たとえば、水を飲むだけの行為にさえ、私たちは味だ温度だといろいろ足してしまう。その“足すクセ”が、実は悩みや不満の温床になっている。じゃあどうするかというと、「必要な分だけ補う」という、ごく当たり前の感覚に戻ること。著者はこれを「ニーズを減らす」「足りていると知る」という形で、驚くほど淡々と説明してくれます。大げさな悟りの話ではなく、日常の行動がちょっと軽くなるような視点が、随所にありました。 「私の」という言葉に苦しみが詰まっている、という話も、妙に腑に落ちました。仕事の成果、人間関係、持ち物、時間。ぜんぶ「私の」と抱え込むからしんどくなる。そこから少し距離を取れるだけで、世界の見え方が変わる。仏教と言うと身構えがちですが、この本はむしろ“クールに生きる練習帳”みたいな位置づけでした。 物事を重く受け止めすぎて疲れてしまう人、自分の「好き」「こだわり」に振り回されている気がする人には、静かに効いてくる一冊だと思います。
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