
ロウソクの科学 (岩波文庫)
ファラデー and 竹内 敬人
講談社 / 1972-05-15
この本について
仕事でも学びでも、目の前のことにどれだけ向き合えているのか、ふと不安になるときがあります。努力しているつもりでも、自分がどこに向かっているのかよく分からなくなる感じです。そんなときに読み返したのが『ロウソクの科学』でした。科学の名著というより、一人の人間がどうやって知を積み上げていくのかが静かに染みてくる本です。 読者が保存していた抜粋を見ていると、ファラデーが若い頃に講演を必死にノートに書き留め、自分で製本までした逸話に心が動いた人が多いように思います。与えられた環境ではなく、今の自分ができる範囲で工夫して掘り下げる。その姿勢が、こちらの背筋もそっと伸ばしてくれる。また、道半ばでは結果が出なくても、自分の確信を手放さずに研究を続けたことが後になって証明される話も、この時代を生きる私たちの不安に静かに寄り添ってくれる気がします。自分がやっていることの意味がすぐに見えない日こそ、こういう視点が必要なのかもしれません。 さらに、彼が名誉を求めず「ただのマイケル・ファラデーでいたい」と語ったくだりも印象的でした。成果や肩書に振り回されず、行動そのものを誠実に積み上げていく生き方は、派手ではないけれど確かに心に残ります。この本は科学の入門書に見えて、実は「どう生きるか」を静かに考えさせられる一冊でもあります。 地に足をつけて学び続けたい人、焦りながらも前に進もうとしている人には、特に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第9章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの50%が集中しています。
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