
福沢諭吉「学問のすすめ」 ビギナーズ 日本の思想 (角川ソフィア文庫)
福沢 諭吉, 佐藤 きむ, and 坂井 達朗
KADOKAWA / 2006-02-25
この本について
勉強って、やらなきゃと思いながらも「そもそも何のためだっけ」と立ち止まることがあると思います。仕事でも同じで、経験が足りないせいなのか、自分の判断が甘いのか、どこで軸をつくればいいのか分からなくなる。そんな時に、130年以上前の本なのに、意外と自分の足元を見直すきっかけになったのが『学問のすすめ』でした。 この本が効いてくるのは、派手な成功論じゃなくて、日常のごく小さな行動のところです。例えば、福沢はまず「役に立つ学び」を挙げます。文字を書く、帳簿をつける、ものの数え方ややり取りの仕方を知る。実務的すぎて笑ってしまうんですが、生活を自分で回す土台をつくることが“独立”の第一歩だと考える姿勢は、現代の「自分の人生を自分で組み立てたい」という感覚にそのままつながります。また、自由とわがままの境界を「他人に迷惑をかけるかどうか」と淡々と説明している部分は、SNSでも職場でも判断に迷う場面で、妙に腹落ちするところでした。 さらに、この本は「学ぶか学ばないかで人は変わる」という言い方をしているものの、それを強制の言葉ではなく、「まずやってみて、そこから疑ったっていい」と促してくれるのが救いです。完璧な答えを求めず、少しでも視野を広げようとする人に向けた、落ち着いた励ましのように読めました。 自分の軸をつくりたいけれど、何から手をつければいいのか分からない、そんな人に刺さる一冊だと思います。
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