
二〇世紀の歴史 (岩波新書)
木畑 洋一
この本について
歴史の話って、どこか「大きな物語」に押し流されて、自分とは遠い世界のことに見えてしまうことがありますよね。国境の線も、国同士の関係も、当たり前の前提として受け止めてきたけれど、本当にそうなのか…とふと立ち止まりたくなる瞬間がある。そんなときに、この『二〇世紀の歴史』はかなり効きます。 読んでいて強く感じたのは、二〇世紀を「長い二〇世紀」として捉え直すことで、つながりが見えにくかった出来事同士が少しずつ線でつながっていくことです。たとえば、帝国主義の時代に広がっていた「公式」と「非公式」の支配構造が、その後の総力戦や民族自決の動きとどう絡んでいくのか。あるいは、イスラエル建国やアジア・アフリカの独立運動が、もっと前の帝国世界のひずみの延長線上にあったという視点。教科書では区切られてしまう話が、時間軸をまたいで一本の流れに見えてきます。 そしてもうひとつ大きかったのは、帝国の中心にいた国々ではなく、周縁に置かれた人々の側から歴史を見る感覚が自然と身につくところです。沖縄の人々が「展示」された事件や、パレスティナの人々のナクバ、アフリカでの抑圧など、遠い話としてではなく、現代につながる現実として読み返すことになる。自分が普段使っている言葉や価値観が、どんな歴史の上に乗っているのかを考えさせられます。 過去の出来事をただ暗記するのではなく、「いまの世界の形はどう積み上がってきたのか」を落ち着いて見直したい人に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの34%が集中しています。
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