
プロカウンセラーの聞く技術
東山紘久
創元社 / 2000-09
この本について
人の話を聞いているつもりなのに、途中で「これって結局どういうこと?」と焦りが出たり、気づけば自分の意見を差し込みたくなったり。相手が何を言いたいのか以前に、「ちゃんと聞けていない自分」にモヤっとすることがあると思います。僕も仕事で相談を受ける場面が増えるほど、このズレに何度もぶつかりました。 『プロカウンセラーの聞く技術』は、そのズレを力づくで解消しようとせず、そもそも聞くという行為の前提から静かに整えてくれる本です。「相手の話は相手のこと」という姿勢や、「自分の感情を混ぜない」という自他の区別が特に刺さりました。反論しないとか、相づちを工夫するといったテクニックの話ではなく、会話の“土台”にある心の置き方を扱っています。興味が持てない話ほど理解のチャンスになる、という言葉も、日常の小さな会話で思い当たる場面が多くて、少し肩の力が抜けました。 読んでいると、聞くことは相手を操作する技術ではなく、こちらが余裕を持って在るための姿勢なんだとわかってきます。感情が出た相手には説明をやめて受け止めるとか、間や沈黙を適度に置くことで相手の心の動きが見えてくるとか、どれもすぐ試せるけれど、意外と日常では忘れがちな視点ばかりです。誰かの愚痴や不満を受け止めるときのしんどさも、この本を読むと「全部自分が処理しなくていい」と思えるようになります。 人の話を聞くとつい背負い込みやすい人、相手の気持ちに振り回されやすい人には、特にしっくりくると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの14%が集中しています。
読書の順序
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