
田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」
渡邉格
講談社 / 2013-09-24
この本について
仕事をしていると、どこかで「このスピードについていくために、何か大事なものを見落としてないか…?」と不安になる瞬間があります。安さや効率を追いかけるほど、なぜか自分の首が締まっていく感覚。辞めたいのに辞められない、外に出たいのに出口が見えない、そんなモヤモヤを抱えたまま働いている人は多いと思います。 『田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」』は、その違和感を「気のせい」にせず、正面からとらえ直す本でした。お金が“腐らない”ことで生まれる不自然さや、労働力と食が同時に安くされていく資本主義の構造、そして地域が“外”からの補助金で痩せ細っていく仕組み。どれも、日常の中で何となく感じていたズレに名前をつけてくれるような感覚があります。同時に、パン屋という小さな現場での実践が描かれているので、急に大きな理想へ飛ばされることもありません。 特に刺さったのは、「外」に出たつもりが、まだシステムのど真ん中にいたと気づく描写や、つくり手が暮らしていける“正当な価格”をどう守るかという試行錯誤。きれいごとではなく生活レベルの問題として語られていて、自分の仕事にもそのまま引き寄せて考えられました。生産者の顔が見える関係をつくることで循環が起きる、という視点も、都会で働いている自分にとっては新しいヒントでした。 「効率や安さに巻き込まれながら、でもどこかで別の生き方を探したい」と思っている人に刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第8章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの23%が集中しています。
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