
英仏百年戦争 (集英社新書)
佐藤賢一
集英社 / 2003-11-19
この本について
歴史の本を読んでいて、「なんで国同士がこんなに執念深く争ったんだろう」とか、「当時の人はそもそも国をどう感じていたんだろう」といったところで足が止まること、ありませんか。いまの感覚で読み解こうとすると、どうしても腑に落ちない部分が残るんですよね。 『英仏百年戦争』は、そのモヤモヤをゆっくりほどいてくれる本でした。抜粋にもありますが、当時は国よりも家や領地のつながりが優先され、イングランド王でさえ「大陸の大領主」として振る舞っていた。国の名前は同じでも、そこに住む人の意識や目的はバラバラで、シェイクスピアの史劇に出てくるような「国の大義」だけでは動いていない。そう思えると、歴史が急に立体的になります。また、英語の大半がフランス語由来だという話や、ノルマン朝の王たちがイングランドを「おいしい海外拠点」くらいに見ていたという描写は、現代の「国らしさ」の見方を一度リセットしてくれます。 読みながら感じたのは、いまの私たちが抱える「境界」や「所属」の悩みと、当時の揺らぎはそこまで遠くないということでした。自分の仕事でも、肩書きや役割よりも、実際にどこを拠点にし、誰と動くのかのほうが重たくなる瞬間があります。そういう「実態と名前のズレ」を抱えやすい人ほど、この本の視点が効いてくるはずです。 こんな人に刺さると思います。国や組織の“枠”に自分を合わせることに疲れ気味で、歴史から別の見方を借りたい人。
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多くの読者は第5章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの36%が集中しています。
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