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生きて帰ってきた男-ある日本兵の戦争と戦後 (岩波新書)

生きて帰ってきた男-ある日本兵の戦争と戦後 (岩波新書)

小熊 英二

岩波書店 / 2015-06

累計読者数3
平均ハイライト数 5件/人
推定読了時間 約7時間47分
star総合評価 23/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 10%

この本について

戦争や国家の話って、どうしても遠い世界のことに感じてしまうけれど、日常の「なんでこうなんだろう」という違和感と地続きなんだと思うことがあります。制度の不公平さだったり、多数派に合わせて生きるしかない空気だったり、希望的観測にしがみついてしまう弱さだったり。自分でも説明できないモヤモヤの正体がつかめないまま、日々が過ぎていく感じです。 この本は、シベリア抑留を生き抜いた一人の男性の人生を通して、そんなモヤモヤに具体的な輪郭を与えてくれます。特別な英雄譚ではなく、むしろ「平均的な人間」がどう社会の構造に巻き込まれ、どこで自分の判断を下してきたのかが淡々と描かれていて、読んでいるこちらも姿勢を正されるというより、「そうだよな、人間ってこうだよな」と落ち着く感覚があります。例えば、制度を知っているかどうかで人生が大きく変わってしまう現実とか、国が責任を回避しようとするときの理屈の使われ方とか、自分の周りでも起きているような話に思えてきます。 そして一番刺さったのは、「普通に生きている人ほど、ときどき逸脱し、ときどき社会に流される」という視点でした。誰かを単純に加害者・被害者で語り切れない現実があるし、本人の良心だけではどうにもならない場面も確かにある。それでも、何かを言い残すとか、自費で金属プレートを置くとか、そういう小さな行動に人の尊厳が宿るんだなと感じさせられます。 歴史の大きな話が、自分の生活の延長線にあると実感したい人に刺さる一冊です。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

とある一人のシベリア抑留者がたどった軌跡から、戦前・戦中・戦後の日本の生活面様がよみがえる。戦争とは、平和とは、高度成長とは、いったい何だったのか。戦争体験は人々をどのように変えたのか。著者が自らの父・謙二(一九二五‐)の人生を通して、「生きられた二〇世紀の歴史」を描き出す。
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