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「生命力」の行方――変わりゆく世界と分人主義

「生命力」の行方――変わりゆく世界と分人主義

平野啓一郎

講談社 / 2014-09-30

累計読者数3
平均ハイライト数 6件/人
推定読了時間 約7時間55分
star総合評価 52/100
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この本について

人と会う場所によって、自分のテンションも言葉づかいも少しずつ変わる。そのたびに「どれが本当の自分なんだろう」とモヤモヤしてしまうこと、けっこうありますよね。僕も昔からこの悩みが抜けず、どこかで“ぶれない軸”を持たなきゃいけないと思い込んでいました。 平野啓一郎さんの「生命力」の行方を読んで救われたのは、その揺らぎそのものを前提にしてくれる視点でした。人は誰でも複数の顔を持ち、むしろその構成比率こそが個性なんだという話は、抽象論ではなく日常の行動レベルまでスッと落ちてくる。誰かと一緒にいる時“その人といる時の自分が好き”という感覚も、言われてみれば確かにある。無理に一つの「本当の自分」にまとめようとして苦しくなる理由が、ようやく説明された気がしました。 また、マッサージや小説の例を使いながら、合理性だけでは人は満足しないという視点も面白いです。必ずしも正しさや効率が心の充足につながらない。だからこそ芸術のように、生活とその外側をつなぐ“余白”が必要になる、という話がじんわり効いてきます。生き方というより、生活の手触りそのものが少し変わる感じに近いかもしれません。 一つの顔に自分を押し込めようとしてしんどくなっている人に、とても自然な形で視点を開いてくれる本です。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

今、自分らしく幸福に生きるとはどういうことか?分人主義・実践篇!平野啓一郎エッセイ&対談集。社会・メディアから文学・アート・エンタテインメントまで、多様化する現実と向きあい、各界の第一人者に挑んだ思考の冒険!

目次

話題化される性質 顔文字考 すべてが「不滅の小説」 何が監視社会の恐怖なのか 奇妙な感覚の麻痺 なぜ今ドストエフスキーなのか 「血盟団事件」とテロリズム 戦死者の個性 「握手」論 身体の「極論」 「格差」の〈内向き感〉 気にしないのも自由 パリのラーメンは、なぜか懐かしい 「ウマい」という感覚の遅さ 熟年別居 生き辛さの原因は? 現代を「幸福に生き、死ぬ」ということ 被災地までの距離 フィクションとノンフィクションは"死"をどう紡ぐか 「3・11」以後の日本社会の希望をめぐって 大空家のロベルトさん ベストセラーと感染爆発 「アバター」はどっちの「エージェント」? マイケル・ジャクソン、あるいは最高のメディア エンタメ化される「悲惨」 時間、あるいは増やせない富 「ファスト」はあらゆるジャンルで セックスはなぜ悲しいか この中では一番 反体制とジレンマ プロと時間のコスト 『知られざる傑作』的マッサージ そして、リヴェンジは果たされた 芸術は広く告ぐ 主体のスプリット 「わからないもの」の世界へ 静かに瞬きする光のほとりで 波の狭間に仄めく顔 グールドのヘンなショパン 先を急ぐ世界、滞留する世界 音楽に先行するもの 「ゴミ御殿」は、現代建築の問題となり得るか? 身体と出現 フィクションの倫理 天才の仕事 個体、存在、「身理」 花は秘せられて、しかも常に咲き、…… 読者は山根忍と出会い、彼女を忘れない。 未来を訪ね、現在に帰る 愛とは結局のところ、何なのか? 二一世紀の「人間」を描く 『サロメ』を更新する 生きようとする人間の力 魔術的博捜家の世界 文豪の肉声 なぜ「山椒大夫」か? 誠実な懐疑家の肖像 美、絶対者、政治 三島由紀夫とは何だったのか 震災後の文学の言葉
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