ヨムナビ
映画にまつわるXについて (実業之日本社文庫)

映画にまつわるXについて (実業之日本社文庫)

西川 美和

実業之日本社 / 2015-08-15

累計読者数5
平均ハイライト数 12.2件/人
推定読了時間 約2時間47分
star総合評価 53/100
menu_book精読型
check_circle推定完走率 39%

この本について

仕事にせよ創作にせよ、「そこまでやる意味が本当にあるのか」と急に足が止まる瞬間ってありますよね。やっていることが急に薄っぺらく思えたり、逆に無駄に肩に力が入って自分でもよく分からなくなったり。僕もよくその沼に沈みます。 『映画にまつわるXについて』を読むと、そんな迷いが少しだけ形を持って現れてくる感覚がありました。子猫のシーンで語られる“戦場のような現場”と、そこでふと訪れる「こんなことで命を削る意味はあるのか」という揺らぎ。あるいは、三十キロのキャメラを担ぐ撮影部が、ご神体みたいな重さを抱えながらも「キャメラ通りまーす」と道を切り開くあの瞬間。そこには、理屈じゃなく「どうしてもやる側」に立ってしまう人間の姿が、妙に生々しく置かれています。 読んでいると、自分の仕事に置き換えざるを得ないんです。無駄に見えるこだわりをなぜ手放せないのか。言葉にできない違和感を抱えながら、でも一歩引けば何かが壊れる気がして前に出るしかない場面。西川さんはそれを大声で励ますわけでもなく、ただ淡々と差し出してくれるからこそ、読者側の“引っかかり”が逆に浮き上がるような感じがします。 「自分はなぜこれをやっているんだろう」と立ち止まることが増えた人には、特に静かに刺さる本だと思います。

この本に似ている本

すべて見る arrow_right_alt
書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

『蛇イチゴ』『ゆれる』『ディア・ドクター』『夢売るふたり』、2002年のデビューから、オリジナル脚本・監督による四作の長編映画を生みだし、数々の映画賞を受賞した映画監督・西川美和。本書は、いま次回作にもっとも期待の寄せられる西川氏、初のエッセイ集。小説誌「ジェイ・ノベル」の連載「映画にまつわるXについて」を中心に、雑誌、新聞、ウェブなどに寄稿した7年分のエッセイを収録する。脚本やキャスティング、取材やオーディションなど、『ゆれる』『夢売るふたり』などの映画制作の現場にまつわるエピソードはもちろん、旅先での出来事や人との出会い、刺激を受けた映画や本について、子どもの頃のことなど、内容は多岐にわたる。いずれも西川美和というフィルターを通し、見つめられ、切り取られた一瞬の風景だが、横綱・朝青龍関はヒーローかヒールか、映画において裸とはどうあるべきか、オーディションでは何を見られているか、カチンコの役割について――などなど、映画作品と併せて楽しめる一冊。解説は、寄藤文平氏。
library_books似た本をもっと見るmap書籍マップで探すroute読書パスガイドauto_awesomeAI診断で次の1冊を探す

読んだ内容を、もう忘れない。

BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。

無料ではじめる

クレジットカード不要