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いたいのいたいの、とんでゆけ (メディアワークス文庫)

いたいのいたいの、とんでゆけ (メディアワークス文庫)

三秋 縋

KADOKAWA / 2014-11-22

累計読者数5
平均ハイライト数 9件/人
推定読了時間 約4時間6分
star総合評価 39/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 10%

この本について

最近、「怒るべき場面で黙ってしまう」「何かあっても自分の感情が動かないふりをしてしまう」みたいな癖に気づくことが増えました。表面上は大人しくやり過ごせても、後になって体力を削られていたり、胸のあたりに重さだけが残ったりして、あれって結局なんだったんだろうと考え込んでしまいます。 『いたいのいたいの、とんでゆけ』を読んで印象的だったのは、怒りや痛みを避け続けた主人公が、理不尽な過去を背負う少女との関わりを通じて、自分の“感じたくなかった部分”を否応なく突きつけられていくところです。怒りを我慢すれば物事が丸く収まるわけじゃないこと、飲み込んだ感情はどこかで必ず自分に返ってくることが、二人の会話や沈黙の温度の中でじわじわ分かってきます。また、「家」という場所の居心地の悪さに触れる場面が多くて、環境に順応しすぎることで逆に自分を擦り減らしていた経験を持つ人には、妙に身に覚えがあるはずです。 この物語が教えてくれるのは、派手な救いではなく、「感じないふりを続けると、自分の芯ごと弱っていく」という当たり前だけど直視しにくい事実です。その一方で、缶のミルクティーを飲みながら夜空を見上げる少女の姿のように、ほんの一瞬だけ息がつける光も差し込みます。だからこそ、痛みを抱えた他人と向き合うことが、自分の感情の輪郭を取り戻すきっかけになるのだと静かに気づかされます。 「怒りを押し殺すのが癖になっている人」に刺さる一冊だと思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

「私、死んじゃいました。どうしてくれるんですか?」 何もかもに見捨てられて一人きりになった二十二歳の秋、僕は殺人犯になってしまった——はずだった。 僕に殺された少女は、死の瞬間を“先送り”することによって十日間の猶予を得た。彼女はその貴重な十日間を、自分の人生を台無しにした連中への復讐に捧げる決意をする。 「当然あなたにも手伝ってもらいますよ、人殺しさん」 復讐を重ねていく中で、僕たちは知らず知らずのうちに、二人の出会いの裏に隠された真実に近付いていく。それは哀しくも温かい日々の記憶。そしてあの日の「さよなら」。
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