
オープン&クローズ戦略 日本企業再興の条件 増補改訂版
小川紘一
翔泳社 / 2015-12-03
この本について
海外市場の話になると、結局「日本の強みって何なんだろう…」と立ち止まることが多いです。技術はあるはずなのに競争で負ける理由が腑に落ちないまま、国内のやり方をそのまま海外に持ち込んでうまくいかない。自分の判断軸もどこかあいまいなままになりがちです。 この本を読んで感じたのは、日本企業がつまずくポイントが「努力不足」ではなく、そもそも競争の前提が変わったことを前提にできていない、というごくシンプルな構造にあるという視点でした。たとえば、アジア市場では生活スタイルから製品価値が決まるので、日本式の品質や工程の積み上げだけでは戦えないこと。あるいは、技術そのものよりも、知財や契約で企業と市場の境界をどう引くかが勝負の決め手になっていること。読み進めるほど、勝ち負けの理由が具体的な現場レベルでつながっていきます。 特に心に残ったのは、先進国と新興国がエコシステム型の国際分業で一緒に伸びる構造です。全部を自前で抱える発想を捨てない限り、ROEは上がらず、優位に見えていた技術もすぐにコモディティ化してしまう。逆に言うと、自社がどこを握り、どこを開くかを決められれば、海外拠点からのロイヤリティ還流まで含めて成長の仕組みを作れる。経営の抽象論ではなく、製品企画や工場運営の判断に直結する話ばかりでした。 海外事業にモヤモヤを抱えていたり、「自社の強みって本当に強みなのか」を疑い始めている人には、かなり刺さる一冊だと思います。
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ハイライト密度
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