
マカン・マラン 二十三時の夜食カフェ
古内一絵
この本について
最近、がんばっているつもりなのに空回りしている感じが抜けなくて、「この先ちゃんと進めるのかな」とぼんやり不安になることがあります。考えれば考えるほど、自分の足りないところばかり目につく時期ってありますよね。そんなときに『マカン・マラン 二十三時の夜食カフェ』を読むと、すぐに問題が解決するわけではないけれど、心の温度が少し上がる感覚がありました。 この本が効いてくるのは、まず登場人物たちがそれぞれ「足りなさ」を抱えたまま前に進もうとしている姿に触れられるところです。シャールが言う「どんなに色々なものが足りなくたって、誰もが自分の人生の女王様よ」という言葉は、状況を無理に肯定させるものではなく、今のままの自分をいったん受け止める余裕をくれます。それに加えて、アジアの夜の空気やガムランの音、料理の匂いといった描写が、普段こわばっている気持ちをほどくように働いてくれる。自分のペースを取り戻す練習をしているような読書体験でした。また、登場人物同士がふとしたひと言でつながっていく場面が多く、「人との距離ってこんなふうに縮まるんだ」と思えるのも、荒れた心にじんわりきます。 自分の足りなさばかりを見てしまう人、もしくは「今はまだ何も見えない時期」にいると感じている人に、とても合う一冊だと思います。無理に背中を押すんじゃなくて、「ここで少し休んでおいで」と言われているような安心感がほしいときに、そっと手に取ってみてください。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの27%が集中しています。
読書の順序
この本の前に読まれた本
この本に似ている本
すべて見る arrow_right_alt読んだ内容を、もう忘れない。
BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。
クレジットカード不要




