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罪と罰(上)(新潮文庫)

罪と罰(上)(新潮文庫)

ドストエフスキー、工藤 精一郎

新潮社 / 1987-06-09

累計読者数9
平均ハイライト数 9.4件/人
推定読了時間 約5時間49分
star総合評価 48/100
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check_circle推定完走率 43%

この本について

仕事にせよ人間関係にせよ、「正しいと思ってやったのに、心のどこかがざわつく」ときがあります。あるいは、貧乏ではないけれど精神的に追い詰められて、ちょっとした判断が極端にぶれてしまうこともある。理屈はわかっているのに、感情の奥に沈んだ泥のようなものが、自分を振り回してくるあの感じです。 『罪と罰』を読んでいると、その泥の正体にゆっくり触れさせられるようなところがあります。どん底に落ちると「箒で掃きだされる」と語られる場面は、社会からの排除というより、自分が自分を見捨てていくプロセスに近い痛みを突いてきます。また、「良心がある者は、あやまちを自覚したら苦悩する」という言葉は、行動の善悪ではなく、後からやってくる内側の揺れこそが本当の罰なんだと気づかせます。さらに、「人がもっとも恐れているのは新しい一歩だ」という一文は、変わりたいのに動けないあの停滞を、驚くほど正直に言語化してくれます。 読んでいて感じるのは、ドストエフスキーが人間の弱さを特別なものとして扱わず、むしろ「ほとんど全員がこうなる」と言い切ってくるところです。だから救われる。ラスコーリニコフの迷走も、犯罪の話として読むより、追い詰められたときに理屈で自分を正当化しようとする心理の極限として読むと、妙に身に覚えがあるんですよね。 自分の中の矛盾や、うしろめたさ、踏み出したいのに踏み出せない気持ちを抱えている人には、とくに刺さると思います。読後に「人間ってこういうところあるよな」と少し冷静に見つめられる本です。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

鋭敏な頭脳をもつ貧しい大学生ラスコーリニコフは、一つの微細な罪悪は百の善行に償われるという理論のもとに、強欲非道な高利貸の老婆を殺害し、その財産を有効に転用しようと企てるが、偶然その場に来合せたその妹まで殺してしまう。この予期しなかった第二の殺人が、ラスコーリニコフの心に重くのしかかり、彼は罪の意識におびえるみじめな自分を発見しなければならなかった。
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