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史上最高に面白いファウスト (文春e-book)

史上最高に面白いファウスト (文春e-book)

中野和朗

文藝春秋 / 2016-10-14

累計読者数6
平均ハイライト数 11.8件/人
推定読了時間 約2時間48分
star総合評価 53/100
menu_book精読型
check_circle推定完走率 36%

この本について

仕事でも人生でも、目の前のことに集中しきれないときってあります。やるべきことは分かっているのに、どこかで「本当にこれでいいのか」と立ち止まってしまう感じです。僕もよくそこで迷うのですが、『史上最高に面白いファウスト』を読んでいると、そういう停滞そのものが人間らしさなんだと少しだけ思える瞬間がありました。 この本が面白いのは、ファウストの「野心」や「衝動」を、善悪で割り切らずに真正面から描き直してくれるところです。たとえば海を干拓して楽園をつくろうとする晩年のファウストの姿は、理想というよりも執念に近い。それでも彼が主導権を取り返し、空虚な世界への恐怖を押し切って進もうとする描写は、こちらの行き詰まりとどこか地続きに感じられます。また、ゲーテ自身が体制への懐疑を抱えながら書いたという背景を知ると、「正しさ」に縛られて動けなくなる瞬間への目線も少し変わります。 そして終盤、救済をもたらすのが神ではなく、あくまで「永遠にして女性的なるもの」であるという解釈が、この作品をただの神話劇から、人間の弱さごと抱える物語に引き戻してくれます。完璧じゃなくても前に進むこと自体に価値があるのかもしれない、と静かに思わせてくれるんです。 自分の衝動や迷いを、無理にきれいに説明しなくていいんだと感じたい人に刺さる一冊です。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

かつて『ファウスト』を手に取りながらも、途中で挫折したあなた! 読み通せなかったのは、あなたのせいではないのです。 投げ出してしまったのは、これまでの重々しく格調の高い”古典文学的な”翻訳と、「人格形成を目指して努力する人間の物語」と日本で勝手に神格化されてしまったから。 そもそも『ファウスト』はお芝居なので、字面を追っても本当の面白さは伝わりません。そこで演劇にも通じたドイツ文学者が、演じられる情景が目に浮かぶような訳文と、ていねいな解説をまじえながら原作を一気に紹介。 悪魔メフィストと契約して二十歳そこそこの青年に若返った老博士ファウストが、ギリシャ神話の古代から未来まで時空を超え、美男美女、神や魔物が入り乱れる世界で、欲望のままに少女をだまして捨てさったり、人を殺したりと自由奔放に活動する−−歌あり踊りあり、マジック、サーカス、ストリップ、お笑い、剣劇を織り交ぜた最高のエンターテインメント『ファウスト』をついに読み通せます。
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