
宇宙創成(上)(新潮文庫)
サイモン・シン and 青木薫
新潮社 / 2009-02-01
この本について
仕事でも生活でも、目の前の事実を集めるだけでは全然つながらないな…と感じる瞬間ってありませんか。数字や情報は増えるのに、なぜか世界の見え方は変わらない。自分もよくこの袋小路に落ちるのですが、『宇宙創成(上)』を読んだとき、少しだけ視界がひらけた感覚がありました。 この本がおもしろいのは、「人はどうやって世界を理解しようとしてきたのか」を、実験器具も計算機もない時代から積み重ねて見せてくれるところです。たとえば、船が水平線の向こうへ消えるときマストだけが最後まで見えるという、誰でも観察できる現象から「地球は丸い」にたどりつく執念。あるいは、事実をただ並べても科学にはならない、という冷静な姿勢。そして、役に立つからではなく、美しさに惹かれて自然を探求した人たちのまなざし。こういう視点に触れると、日々の仕事で数字や情報を前に固まってしまうとき、どこで考え方が止まっているのかを探るヒントになります。 壮大な宇宙の話ではあるのに、読んでいると、観測や推測を通して「世界をどうつかまえるか」というごく人間的な営みが浮かび上がります。アイデアが一気に生まれるわけではなく、誰かの思いつきが別の誰かに拾われ、誤解もあれば見当違いもあり、そのすべてが次の発見につながる。自分の試行錯誤もこういう流れの中にあるのかもしれない、と思えるのが救いでした。 自分の思考の土台をもう一度つくり直したい人に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの46%が集中しています。
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